副流煙に関する条約と法令 ~WHOが発効したガイドラインについて~

自分はタバコを一切吸わないのに、家庭や職場にヘビースモーカーがいて、その副流煙がもとで肺がんを患ったとしたら……。こんな理不尽なことってないと思いませんか?

健康志向が増えつつある現在、バランスの良い食事を心がけたり、運動したりと、日頃から節制している人も多いのではないでしょうか。しかし、そんな本人の努力も、環境たばこ煙の中ではあっというまに水の泡になってしまいます。

もちろん、そんな道理に合わないことを世間が許すはずはありません。健康を害する物質を発生する副流煙については、条約と法令で厳しく規制されているのです。

2005年、WHOはタバコの規制に関する世界保健機関枠組条約(たばこ規制枠組条約)を発効しました。これは副流煙などの受動喫煙の防止を求めるもので、日本を含む各国が推進に賛同しています。

これに続いて2007年には「たばこ規制枠組条約第8条とそのガイドライン」の実行が採択され、各国も公共施設での受動喫煙の防止を実施することを約束しました。これには、大勢の人が集合する施設の全面禁煙化と、喫煙所の廃止などが具体的にあげられており、違反した場合は罰則を定めることになっています。

このような国際的な条約に対し、日本の法令はどうなっているのでしょうか。健康増進法には、こうあります。「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることを言う)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない」

意外と具体的に書かれているので、驚かれた方もいるのではないでしょうか。でも、びっくりされるのも無理ありません。

公共施設を始め、大勢の人が集まる場所で受動喫煙防止の義務があるにも関わらず、日本の現状では禁煙はおろか分煙さえ正しく行なわれていないのですから。日本での副流煙に対する認識は、まだまだ薄いものがあります。

同じ室内でただ席を隔てただけで分煙のつもりでいたり、性能の低い空気清浄機を使っているのにだいじょうぶだと思っている飲食店やレストランも多いのです。このような状況から、禁煙・分煙レベルにおいて、残念なことに日本は先進国で最低だと評されています。