広がりを見せる分煙 ~現在の分煙の状況と、これからの予測~

平成15年に「健康増進法」が施行されていることを、皆さんはご存知でしょうか。この「健康増進法」の中では、受動喫煙の防止が義務づけられており、それに伴うガイドラインも厚生労働省から公表がなされています。しかし、このガイドラインに基づいて喫煙対策を行なっているところは実際にはまだまだ少ないと言われています。

この、現在も推進されつづけている喫煙対策の具体案が、分煙です。分煙とは、副流煙を吸いこむなどの受動喫煙を防ぐために、タバコを吸える場所と吸えない場所を分割する方法です。日本たばこ産業株式会社(JT)では、分煙を主に二種類に分けています。一つは、喫煙者と非喫煙者のエリアを仕切ることで分煙を行なう「空間分煙」で、もう一つが時間帯で喫煙と禁煙を分ける「時間分煙」です。

副流煙の有害物質は、時間が経っても残留するので、時間分煙よりは空間分煙のほうがより効果が高いことは確かです。しかし、部屋数が限られているなど、職場によってケースはさまざまあります。一つの分煙法より、二つの分煙法を組み合わせることが、より効率良い受動喫煙の防止へとつながるのです。

また分煙は非喫煙者だけでなく、喫煙者にも大きなメリットがあるとの報告がされています。一つに、周囲に気兼ねなく喫煙できることがあげられています。

昨今では、公共機関やタクシーで全面禁煙が実行されており、喫煙者は肩身のせまい思いをしています。分煙を行なうと、子どもなどの非喫煙者が副流煙を吸いこむ心配をしなくて済むので、喫煙者も安心できるというわけです。

周りへ迷惑をかけず、堂々とタバコが吸えるのでストレスもたまりません。喫煙所にいちいち足を運ぶのが面倒で、タバコを我慢するようになり、結果的に禁煙に成功したという話も少なくないのです。

分煙では、喫煙によって発生する煙の流れをコントロールすることが最大の目的になっています。事業者にとって、現在、この喫煙者の煙の流れは非常に重要な課題です。飲食店などで、喫煙席と禁煙席が近すぎたり、きちんと仕切られずに副流煙が流れこんだり、充分に換気されていないと、場合によっては違法行為に問われる可能性もあるのです。

このような設備の不備も多いことから、日本たばこ産業が主張する分煙の推進に対して、世界保健機関(WHO)は建物内などを完全に禁煙とする無煙化を主張しています。